一般のニュースにもだいぶ登場している事から、かなりの知名度になっていると思われる3冠馬ディープインパクト

彼がおよそ1時間後に出走するのがフランスのロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞。クラシックディスタンスと呼ばれる芝2400mのレースでは世界最高と言っても間違いではないレースです。賞金は1億7000万程で、ドバイワールドカップの3億7000万から比べれば多い方ではないですが、この勝利により得られる繁殖(繁殖牝馬種牡馬)としての価値は相当のものです。

とまあそんなリアルな金銭の話ではなく、やはり日本代表として行くっていうのがたまらなく気持ちがいいわけです。(母も父も海外の馬とか言う突っ込みはなしで)



という事で、果たしてディープインパクトはどうなのかと、競馬ファンなら気になって仕方のないところなわけです。となれば分析をしたくなるのが競馬好きの運命、間違った情報もあるかもしれませんがちょっと書いてみたいと思います。(人気についてはhttp://www.willhill.com/iibs/EN/buildcoupon.asp?couponchoice=HR1426297を参考にしています)




1枠 ハリケーンラン(フランス)牡4 ファロン
11戦8勝(2着3回)(GI4勝)

現在僅差の3番人気。去年のこのレースの勝ち馬で、アイルランドダービー馬。

前走こそ2着に負けましたが、前々走ではディープインパクトに唯一先着しているハーツクライ、そしてドバイワールドCの勝ち馬エレクトロキューショニスト(先日心不全で死亡、今年はこういうのが多めで寂しい限り)を最内から競り合って差し切るという非常に強い内容。ロンシャンの堅い芝(洋芝)が得意で、同競馬場の成績は6戦5勝。父は日本馬エルコンドルパサーを差し切ったモンジュー。日本馬初の凱旋門賞制覇を阻止した名馬の仔が、再び日本馬の前に・・・

ただ、父もそうでしたが、サドラーズウェルズ系は勢いがなくなると今までの戦績が嘘のようにあっさり連敗したりする傾向があります。3走前で2着に敗れた後、キングジョージで復活はしましたが前走再び2着。去年は2連勝中でその勢いのままにこのレースを制覇しましたが、今年は去年ほどの勢いがないように思います。上位にはもちろん来ると思いますが、アレッジド以来の連覇はどうでしょうか・・・



2枠 ディープインパクト(日本)牡4 武豊
11戦10勝(2着1回)(GI5勝)

ご存知3冠馬。とある日本人による350万円のベッティングもあってか現在僅差の1番人気。2400mは日本ダービーのみですが、距離については全く問題ないと思います。展開不問の脚質、スローペースでもハイペースでも問題なくやってきます。さらに、今まで重賞でこの馬の2着に入った馬はトウカイトリック以外故障ないしは引退しているという逸話もあります(先日リンカーンナリタセンチュリーも故障してしまいました)。ただ、それはあくまでホームである日本だからこそできた技、世界の強豪相手に外を通って果たしてどうなのか、洋芝(力のいる馬場)適性についても気になるところではあります・・・さらに休養明けという臨戦過程、3ヶ月以上休んで凱旋門賞を制したのは41年前のシーバード以来出ていません。BCターフ連覇の実績をもつハイシャパラルも、このローテーションで1番人気を裏切っています。しかし、この馬が10年ないし20年に一頭の名馬だった場合、こんなものは関係ありません。そこに期待したいところですが・・・

いや、期待します。そういうのを無視しても応援する価値はあると思います。純粋に頑張って欲しいなと。



3枠 ベストネーム(フランス)牡3 ペリエ5戦2勝(2着2回)

んーちょっと距離が長いのではないかと、ダルシの2着は評価できますが前々走ディラントーマスに圧倒的に離されて負けてますし、凱旋門賞3連覇のペリエ騎手でもちょっと厳しいかと。



4枠 レイルリンク(フランス)牡3 パスキエ
7戦5勝(2着1回)(GI1勝)

2400m3戦3勝。過去8頭の勝ち馬を出しているニエル賞からのローテーション、そして3歳馬が強いこのレース、他の3歳馬はやや力が足りないように思いますので上位と戦えるのはこの馬だけかと。正直シロッコハリケーンランよりこの馬の方がライバルなのではないかと思っています。ただ、騎手が勝負がかっていないのは気になります。(シロッコに騎手を取られています、と言っても同じ厩舎なのですが)



5枠 プライド(フランス)牝6 ルメール
23戦7勝(2着4回、3着4回)(GI1勝)

ただ一つのGI制覇は、ハリケーンランを破ってのもの。凱旋門賞は、一昨年13着、去年7着と完敗。ただ、去年の凱旋門賞後の成績は2-2-0-1と安定、英チャンピオンSの勝ち馬デヴィッドジュニアーの2着等もあり、今年6歳と高齢ですが充実しています。さらに3頭の凱旋門賞勝ち馬がいる血統、前走も僅差の3着、騎手もあのハーツクライルメール騎手、アーバンシー以来13年振りの牝馬による制覇がありますかどうか・・・



6枠 シロッコ(フランス)牡5 スミヨン
12戦7勝(2着1回、3着3回)(GI5勝)

現在僅差の2番人気。去年のブリーダーズCターフの勝ち馬で、ドイツダービー馬。

目下4連勝中。勝ち星のなかったロンシャン競馬場で、ハリケーンランを下しての勝利にはこの上ない価値があります。圧倒的な先行力で前にいって後続を断ち切るこの勝負根性・・・流石は木星帰りといったところでしょうか。フォア賞をステップに凱旋門賞を制覇したのは14年前のスボティカまで遡らなければいけない点がマイナス材料ではありますが、この勢いは脅威です。2400mで6勝を上げている辺りも強調材料と言えます。



7枠 アイリッシュウェルズ(フランス)牡3 ブフ
8戦3勝(2着1回、3着3回)

ベストネーム同様微妙だと思います。前々走の時計も遅いですし、前走勝ったメンバーも微妙です。騎手も伸ばし棒つけるとなんか肉っぽいですし。



8枠 シックスティーズアイコン(イギリス)牡3 デットーリ
6戦3勝(3着1回)

騎手は怖いんですが・・・サーパーシーにあそこまでやられた馬が3ヶ月でそこまで変わりますかどうか・・・ロンシャン競馬場を走ったこともないですし。




ということで凱旋門賞。8頭立てという寂しい世界一決定戦になりましたが、外を回すと思われるディープインパクトにとってはありがたい条件だと思います。

逃げ馬がいないのでおそらくスローペース、ディープインパクトはおそらく中団から後方で直線入り口で先団グループへといった日本と同様のレースを行うと思います。あとはよく分かりません、その目で確かめてくださいなと。

という事でおよそ1時間後。

「NHKにようこそ!」が終わったらNHKにすれば完璧です!


是非とも生でいきましょう、生で。